多摩川は都心からアクセスしやすく、手長エビからシーバス、うなぎまで多彩な魚種が狙える魅力的な釣り場です。特に手長エビ釣りは全国的にも有名で、初心者から上級者まで楽しめるスポットが数多く点在しています。今回は多摩川の中でも特におすすめの釣り場を厳選してご紹介します。電車でアクセスしやすい立地にありながら、自然豊かな環境で本格的な釣りを楽しむことができるでしょう。
多摩川の人気釣り場を紹介
多摩川には河口から上流まで様々な特徴を持つ釣り場があります。それぞれのポイントで釣れる魚種や難易度が異なるため、自分のレベルや狙いたい魚に合わせて選ぶことが大切です。
川崎市内から東京都内にかけて広がる多摩川の釣り場は、都市部にありながら豊かな自然環境を保っています。河口付近では海水と淡水が混じり合う汽水域の魚種を、中流域では川魚特有の魚種を楽しむことができます。
アクセスの良さも多摩川の大きな魅力の一つです。JR各線や私鉄各線の駅から徒歩圏内にある釣り場が多く、電車での釣行も十分可能です。平日でも多くの釣り人で賑わい、週末になると家族連れの姿も多く見かけます。
【丸子橋付近】シーバスとテナガエビの名スポット
丸子橋付近は多摩川の中でも特に人気の高い釣り場として知られています。東海道線の鉄橋下に広がるエリアは、テナガエビ釣りの聖地とも呼ばれ、全国から釣り人が訪れるほどです。
このポイントの特徴は、数十メートルにわたって並ぶテトラポッドです。テトラの隙間や影は手長エビにとって絶好の隠れ家となっており、特に夜間には活発に動き回る姿を観察できます。初夏の6月頃には数釣りも期待でき、1日で20匹以上の手長エビを釣り上げる人も珍しくありません。
シーバス狙いの場合は、橋の明暗部や流れの変化する箇所が有力ポイントです。夕まずめから夜にかけての時間帯に、ルアーでのランガンスタイルが効果的でしょう。ただし土日祝日はかなりの混雑が予想されるため、平日の釣行がおすすめです。
【六郷橋周辺】多摩川随一のテナガエビ釣り場
六郷橋周辺は多摩川のテナガエビ釣りにおいて、最も実績の高いエリアとして多くの釣り人に愛され続けています。神奈川側のJR付近から上流にかけて広がるテトラ帯は、手長エビの宝庫といっても過言ではありません。
このエリアで釣れる手長エビのサイズは格別で、全長20cmを超える大型個体も期待できます。多摩川の手長エビとしては最大クラスのサイズで、引きの強さも格別です。満潮前後の時間帯に護岸際の隙間やゴロタ石の間を狙うのが基本的な攻略法となります。
六郷橋周辺はテナガエビだけでなく、シーバスやうなぎの実績も高いポイントです。第二京浜道路の橋下付近は明暗がはっきりしており、夜釣りでのシーバス狙いに最適な環境が整っています。
【多摩川河口】汽水域で多彩な魚種を狙える
羽田空港前に広がる多摩川河口エリアは、海水と淡水が混じり合う汽水域特有の環境を楽しめる貴重な釣り場です。潮の満ち引きによって魚種が変化するため、一日中飽きることなく釣りを楽しむことができます。
この場所で狙える魚種は実に多彩で、シーバス、チヌ(クロダイ)、ハゼ、メバル、アジなど季節によって様々な魚との出会いが期待できます。特に春から夏にかけてはシーバスの活性が高く、ルアーフィッシングでの釣果が期待できるでしょう。
河口エリアの大きな魅力の一つは、護岸整備が行き届いていることです。コンクリートで整備された足場は安定しており、釣り初心者や家族連れでも安心して釣りを楽しむことができます。潮汐の影響を大きく受けるエリアのため、潮見表をチェックしての釣行がおすすめです。
【稲田堤上流のプール】ファミリーにも安心な足場
稲田堤上流のプールは、多摩川の中でも特にファミリーフィッシングに適したスポットとして知られています。JR南武線「稲田堤」駅や京王線「京王稲田堤」駅から徒歩約10分というアクセスの良さも魅力の一つです。
取水堰上流に形成された広大なプールは、川崎市側がコンクリート護岸で整備されており、小さなお子さんでも安全に釣りを楽しむことができます。流れが緩やかで水深もそれほど深くないため、初心者の練習場所としても最適でしょう。
主なターゲットは小物中心で、クチボソ、小鯉、ニゴイの幼魚などが狙えます。大型魚は期待できませんが、数釣りを楽しむには十分な環境が整っています。トイレや駐車場も近くにあるため、一日中ゆっくりと釣りを楽しむことができるでしょう。
【大師橋】シーバス狙いの実績ポイント
大師橋周辺は多摩川のシーバスフィッシングにおいて、高い実績を誇る人気スポットです。特に川崎側からのアプローチが効果的で、夕方の18時から19時頃にかけての時間帯が最も期待できる時合いとなります。
橋脚周辺に形成される明暗部は、シーバスにとって絶好の待ち伏せポイントです。小魚を追って回遊してくるシーバスを、ルアーで効果的に誘うことができます。ミノーやバイブレーション、ワームなど様々なルアーが効果的で、その日の状況に応じて使い分けることが重要です。
ナイトゲームでの釣果が特に期待できるポイントで、橋の照明が作り出す光と影のコントラストがシーバスの捕食行動を活発にします。大師橋周辺ではシーバス以外にも、チヌやハゼ、時期によってはうなぎの実績もあります。
手長エビ釣りの王道スポット
手長エビ釣りは多摩川を代表する釣りの一つで、特に初夏から秋にかけてのシーズンには多くの愛好家で賑わいます。手長エビの生態を理解し、適切なポイント選択をすることが釣果アップの秘訣です。
六郷橋上流エリア
多摩川テナガエビ釣りの主戦場で最大サイズ全長20cm級も狙えるエリアです。神奈川側JR付近から上流のテトラ帯がメインポイントとなり、満潮前後に護岸際の隙間やゴロタ石の間を狙うのが効果的です。
このエリアの手長エビは警戒心が強いため、できるだけ静かにアプローチすることが重要です。仕掛けをテトラの奥深くまで送り込み、エビがエサに食いつくまで辛抱強く待つことが釣果アップのコツです。エサは赤虫やミミズが定番ですが、時期によってはイクラも効果的です。
夜釣りでは手長エビの活性が格段に上がります。ヘッドライトを使って仕掛けの状況を確認しながら、繊細なアタリを見逃さないよう集中することが大切です。
丸子橋付近(東海道線鉄橋下)
テトラが数十メートル並んでおりテトラの間を狙う釣りが基本となります。6月頃は数釣りも可能ですが、土日はかなり混雑するため早朝からの場所取りが必要です。雑誌にも掲載された最もメジャーなテナガエビポイントです。
このポイントでは、テトラの隙間を細かく探っていく釣り方が効果的です。一つの隙間で反応がなくても、隣のテトラには手長エビが潜んでいることがよくあります。粘り強く各ポイントを探ることで、良い釣果が期待できるでしょう。
安全面では、テトラポッド周辺は足場が不安定なため、滑りにくい靴の着用と救命胴衣の装着を強くおすすめします。特に夜釣りの際は、十分な照明器具を準備することが重要です。
多摩川大橋付近
テトラやゴロタ石が沈んでおり岩陰を狙う釣りが中心となります。テナガエビ、クロダイ、ハゼ、シーバス、ウナギなどが釣れる多魚種対応のポイントです。中潮、大潮の比較的足場が多いポイントとなっています。
このエリアは水深があるため、重めのオモリを使用して確実に底を取ることが重要です。手長エビは底付近に生息しているため、仕掛けが浮いてしまうと全く釣れません。潮の流れを読みながら、適切な重さのオモリを選択しましょう。
多魚種が狙えるため、手長エビ以外の魚が掛かることも多々あります。クロダイやシーバスが掛かった場合は、タックルが手長エビ仕様で軽いため、慎重なやり取りが必要となります。
シーバス・うなぎ狙いのメジャーポイント
多摩川のシーバス・うなぎ釣りは、夜釣りが基本となります。これらの魚種は夜行性が強く、暗くなってから活発に餌を求めて動き回るためです。ポイント選択と時間帯を適切に組み合わせることで、良い釣果が期待できるでしょう。
六郷橋付近(六郷土手)
多摩川の中でもうなぎやシーバスの魚影が濃いエリアです。梅雨から8月のハイシーズンには60cmオーバーのうなぎやスズキクラスのシーバスが期待できます。第二京浜道路の橋下の明暗はシーバスの一級ポイントです。
うなぎ狙いの場合は、ドバミミズやミミズを使った投げ釣りが効果的です。夜間に底付近でじっくりと待つ釣り方が基本で、アタリがあっても慌てずに十分に食い込ませることが重要です。梅雨の濁りが入った時期が特に狙い目となります。
シーバス狙いでは、橋脚周辺の明暗部をルアーで探る釣り方が効果的です。バイブレーションやミノーを使い分けながら、シーバスの回遊コースを見つけることが釣果アップのポイントです。
大師橋
川崎側がおすすめで18~19時頃が狙い目の時間帯です。橋の明暗部がメインポイントとなり、ナイトゲームでの釣果が期待できます。
このポイントでは、橋の照明が作り出す光と影のコントラストを効果的に活用することが重要です。明部から暗部へルアーを通すことで、シーバスの捕食スイッチを入れることができます。特に小魚の群れが確認できる時は大チャンスです。
流れの変化も重要な要素で、橋脚周辺の複雑な流れがシーバスの待ち伏せポイントを作り出します。ルアーを流れに乗せながら、自然なアクションで誘うことが効果的です。
多摩川河口(羽田空港前)
海水と淡水が混じり合う汽水域で、シーバス、チヌ、ハゼ、メバル、アジなど多彩な魚種が狙えます。護岸整備されているため足場がよく初心者にもおすすめです。
汽水域特有の環境により、海の魚と川の魚の両方を楽しむことができます。潮の満ち引きによって魚種が変化するため、潮見表をチェックして釣行計画を立てることが重要です。満潮前後の時間帯が最も活性が高くなります。
ルアーフィッシングでは、シーバス用のミノーやバイブレーション、メバル用のジグヘッドリグなど、ターゲットに応じた使い分けが効果的です。夜間には常夜灯周辺に小魚が集まるため、そのような場所を重点的に狙いましょう。
ファミリーにおすすめの安全なスポット
家族連れでの釣行を計画する際は、安全性と利便性を最重要視する必要があります。多摩川には足場が安定し、トイレや駐車場も完備された家族向けのポイントが複数存在します。
稲田堤上流のプール
JR南武線「稲田堤」、京王線「京王稲田堤」駅から徒歩10分のアクセス良好なポイントです。取水堰上流の広大なプールで川崎市側はコンクリート護岸となっており、クチボソ、小鯉やニゴイの幼魚など多彩な小物を狙えます。
このポイントは流れが非常に緩やかで、小さなお子さんでも安心して釣りを楽しむことができます。水深も浅めで透明度が高いため、魚の姿を目で確認しながら釣ることも可能です。釣り初心者の練習場所としても最適な環境が整っています。
ファミリー向けの設備も充実しており、近くにトイレや自動販売機があります。日陰になる場所もあるため、夏場でも比較的快適に過ごすことができるでしょう。
立日橋付近のワンド
JR立川駅南口からモノレール通り沿いに南に向かったところにあります。下水処理場の排水口で穴開きテトラが小物の絶好の溜まり場となっており、主なターゲットはクチボソ、オイカワです(遊漁券500円が必要)。
このエリアは比較的人が少なく、落ち着いて釣りを楽しむことができます。小物中心の釣りですが、子供にとっては十分に楽しめる内容です。オイカワの美しい体色は、子供たちにも人気があります。
遊漁券が必要なポイントですが、500円という手頃な価格で一日楽しめるため、コストパフォーマンスは非常に良好です。釣具店や近くのコンビニエンスストアで購入することができます。
まとめ
多摩川は都心からのアクセスが良く、手長エビから大型のシーバス・うなぎまで多彩な魚種が狙える魅力的な釣り場です。各ポイントごとに異なる特徴があり、初心者から上級者まで自分のレベルに合わせた釣りを楽しむことができます。
手長エビ釣りなら六郷橋上流や丸子橋付近、シーバス狙いなら大師橋や六郷橋周辺、ファミリーフィッシングなら稲田堤上流のプールがそれぞれおすすめです。季節や時間帯、狙う魚種によってポイントを使い分けることで、より充実した釣行となるでしょう。
安全面に十分注意を払いながら、多摩川の豊かな自然環境の中で釣りを楽しんでください。特に初めて多摩川で釣りをする方は、地元の釣具店で最新の情報を入手してから出かけることをおすすめします。きっと忘れられない釣りの思い出を作ることができるはずです。