神奈川県大磯町にある大磯港は、湘南エリアでも屈指の人気釣りスポットです。初心者から上級者まで楽しめる多彩な釣りポイントがあり、年間を通してさまざまな魚種が狙えます。
東京からのアクセスも良好で、大磯駅から徒歩12分という立地の良さも魅力の一つです。港内は整備が行き届いており、安全に釣りを楽しめる環境が整っています。家族連れでも安心して利用できる設備が充実しているのも嬉しいポイントでしょう。
大磯港の3つの絶好釣りポイント
大磯港には大きく分けて3つの主要な釣りポイントがあります。それぞれ異なる特徴と魅力を持っているため、狙う魚種や釣り方に合わせて選択することが重要です。
1. 中央岸壁でサビキ釣りの爆釣体験
中央岸壁は大磯港で最も人気の高い釣りポイントです。駐車場から最も近く、24時間釣りができるという利便性の高さが魅力となっています。
水深は約4~5mで、朝夕のまずめ時にイワシやサバ、豆アジなどの回遊魚が寄りやすい環境です。特に夏から秋にかけては、サビキ仕掛けで数釣りを楽しむファミリーフィッシングの聖地とも言える場所でしょう。
足場も良く、初心者でも安心して釣りを始められます。ただし人気スポットのため、早朝から場所取りが激戦となることも珍しくありません。
2. 東堤防でクロダイとメジナを狙い撃ち
東堤防は砂浜に面した立地で、底が砂地になっているのが特徴です。この環境を活かして、シロギスやメゴチなどの底物釣りに最適なポイントとなっています。
防波堤の幅は約7mあり、足場も安定していますが、柵がないため小さなお子さん連れの場合は特に注意が必要です。
ちょい投げ仕掛けにジャリメ(イソメ)を付けて、底をゆっくり引くとキス特有のツンツンとした当たりを楽しめます。投げ釣りの練習にも適した場所で、キャスティングの技術向上にも役立つでしょう。
3. 西堤防で根魚の穴釣りにチャレンジ
西堤防には入場ゲートがあり、8:30~17:00(時期により変動)の時間制限があります。この制限があるため、比較的釣り人が少なく、落ち着いて釣りを楽しめるのが魅力です。
内向き足元での胴突き仕掛けやブラクリを使った根魚狙いがメインとなります。カサゴやメバルが良型で釣れることが多く、夜釣りでは特に活性が上がります。
ただし、投げ釣りやコマセ釣りは禁止されているため、事前にルールを確認してから釣行することが大切です。
釣れる魚種と狙い方のコツ
大磯港では季節を通してさまざまな魚種を狙うことができます。釣り方によって狙える魚も変わるため、自分の技術レベルや好みに合わせて選択しましょう。
アジ・イワシ・サバの回遊魚狙い
サビキ釣りで最も期待できるのが、アジ・イワシ・サバなどの回遊魚です。これらの魚は群れで行動するため、当たりが出始めると連続してヒットすることも珍しくありません。
効果的な時間帯は朝夕のまずめ時で、特に朝の6時から8時頃が最もチャンスが高いとされています。シロメ(アミエビ)のコマセに良く反応し、日が高くなると活性が落ちる傾向があります。
仕掛けはトリックサビキがおすすめで、ピンクスキンサビキの3号~4号が実績が高いです。スピード餌付け器を使うと、手軽にエサ付けができて効率的でしょう。
シロギス・メゴチのちょい投げ釣り
東堤防の砂泥地では、シロギスやメゴチなどの底物が狙えます。これらの魚は砂に潜む習性があるため、底を意識した釣り方が重要になります。
使用タックルはパックロッドやエギ竿、シーバスロッドなど比較的軽めの竿で十分対応できます。仕掛けはジェット天秤10号に投げ仕掛け2本鈎、エサはアオイソメが定番です。
コツは底を取ってからゆっくりと引くことで、キス特有のツンツンとした繊細な当たりを感じ取ることができます。あまり大きくアクションをつけすぎると、警戒して逃げてしまうことがあります。
魚種 | 最適時期 | おすすめエサ | 狙い方のコツ |
---|---|---|---|
シロギス | 5月~10月 | アオイソメ | 底をゆっくり引く |
メゴチ | 6月~9月 | ジャリメ | 広範囲に探る |
舌平目 | 8月~11月 | アオイソメ | 夜間が有効 |
カサゴ・メバルの探り釣り
西堤防では根魚の探り釣りが楽しめます。カサゴやメバルは岩陰やテトラの隙間に身を潜めているため、そうした場所を重点的に狙うのが効果的です。
胴突き仕掛けやブラクリを使って、足元から少し沖まで幅広く探ってみましょう。根がかりを恐れずに、積極的に底付近を攻めることが釣果につながります。
夜釣りではメバルの活性が特に上がるため、常夜灯周りを狙うのもおすすめです。小さなワームを使ったライトゲームも効果的で、繊細な当たりを楽しめます。
釣行時期別の攻略法
大磯港では季節ごとに魚の活性や回遊パターンが変わります。時期に応じた攻略法を知っておくことで、より効率的に釣果を上げることができるでしょう。
春先の稚鮎とメバル狙い
3月から5月にかけては、稚鮎の遡上時期と重なり、それを追ってメバルやシーバスの活性が上がります。この時期は夜釣りが特に効果的で、常夜灯周りでの釣りがおすすめです。
メバル狙いには軽量ジグヘッドに小型ワームをセットしたライトゲームが有効です。1.5g~3gのジグヘッドに2インチ程度のワームを組み合わせると良いでしょう。
水温がまだ低いため、動きはゆっくりと。急激なアクションよりも、じっくりと誘う釣り方が功を奏します。
夏から秋のカマス回遊期
7月から11月にかけては、カマスの回遊期です。特にアカカマスとヤマトカマスが20~30cm程度のサイズで釣れることが多く、数釣りを楽しめる時期となります。
朝夕のまずめ時が最も効果的で、小型のメタルジグやサビキ仕掛けでの釣りが有効です。カマスの群れが入った際は、短時間で数十匹という爆釣も期待できます。
この時期はサバやイナダなどの青物も回遊してくるため、少し重めのメタルジグを用意しておくと良いでしょう。15g~30g程度のジグが使いやすいサイズです。
冬場の根魚とクロダイ攻略
12月から2月の冬場は、根魚とクロダイの好シーズンです。水温が下がることで魚の動きは鈍くなりますが、その分じっくりと狙えるのが魅力です。
カサゴやメバルは年中釣れますが、冬場は特に型が良くなる傾向があります。20cm超えのメバルも珍しくなく、食べ応えのあるサイズが期待できるでしょう。
クロダイはフカセ釣りでの実績が高く、オキアミやサナギを使った釣りが効果的です。潮の動きに合わせてタナを調整することが重要になります。
釣り道具と仕掛けの選び方
大磯港での釣りを成功させるためには、適切な道具選びが欠かせません。狙う魚種や釣り方に応じて、最適なタックルを準備しましょう。
サビキ釣りの竿とリール
サビキ釣りには4.5m~5.3mの磯竿が適しています。長すぎると扱いにくく、短すぎると飛距離が出ないため、この範囲で選ぶのがベストです。
リールは2500番台のスピニングリールがおすすめで、道糸はナイロン3号程度が使いやすいでしょう。あまり太い糸を使うと、仕掛けが沈みにくくなってしまいます。
サビキ仕掛けは針のサイズと色に注意が必要です。対象魚のサイズに合わせて選択し、ピンクスキンやシラスカラーなど実績の高いカラーを用意しておきましょう。
- 竿:磯竿4.5m~5.3m
- リール:スピニングリール2500番
- 道糸:ナイロン3号
- 仕掛け:トリックサビキ3~4号
- コマセ:アミエビブロック
ちょい投げ用タックル
ちょい投げには2.4m~3m程度のコンパクトロッドが便利です。パックロッドなら持ち運びも楽で、電車釣行にも適しています。
オモリは10号~15号程度で、投げ釣り用の2本鈎仕掛けを使用します。エサはアオイソメやジャリメが定番で、活きの良いものを選ぶことが重要です。
キス釣りでは繊細な当たりを感じ取る必要があるため、感度の良い竿を選ぶことをおすすめします。グラスロッドよりもカーボンロッドの方が感度面で有利でしょう。
探り釣り用の仕掛け
根魚狙いの探り釣りには、胴突き仕掛けやブラクリが効果的です。オモリは5号~10号程度で、根がかりを考慮してある程度の予備を持参しましょう。
竿は1.8m~2.1m程度の短めのものが扱いやすく、リールは小型のスピニングリールで十分です。道糸は2号~3号のナイロンラインが適しています。
エサはアオイソメやサバの切り身、イカの短冊などが有効です。匂いの強いエサほど魚の反応が良くなる傾向があります。
釣り方 | 竿の長さ | オモリ | 主なエサ |
---|---|---|---|
サビキ釣り | 4.5m~5.3m | 3号~6号 | アミエビ |
ちょい投げ | 2.4m~3.0m | 10号~15号 | アオイソメ |
探り釣り | 1.8m~2.1m | 5号~10号 | サバ切り身 |
釣り場のルールと注意点
大磯港で安全かつ快適に釣りを楽しむためには、決められたルールを守ることが重要です。ルール違反は他の釣り人にも迷惑をかけるため、しっかりと把握しておきましょう。
西堤防の時間制限と投げ釣り禁止
西堤防では8:30~17:00の時間制限があり、この時間外の釣りは禁止されています。時期によって多少の変動があるため、釣行前に最新の情報を確認することをおすすめします。
また、西堤防では投げ釣りとコマセを使った釣りが全面的に禁止されています。これは船舶の安全運航と港の機能維持のためのルールです。
違反した場合は釣り禁止になる可能性もあるため、ルールを守って釣りを楽しみましょう。胴突き仕掛けやサビキ釣りなど、許可されている釣り方でも十分に楽しめます。
港内とテトラ立ち入り禁止区域
大磯港では港内(船が停泊している区域)での釣りは全面的に禁止されています。船舶の運航に支障をきたすだけでなく、事故の危険性もあるためです。
テトラポッドへの立ち入りも禁止されており、足を滑らせて海に転落する事故を防ぐための措置です。テトラ周りは魚影が濃いポイントですが、安全のため近づかないようにしましょう。
釣りが許可されているのは指定された岸壁と堤防のみです。案内板や看板をよく確認して、適切な場所で釣りを楽しみましょう。
駐車場の料金と営業時間
大磯港の駐車場は有料で、上限料金が設定されているため長時間の釣行でも安心です。料金は時間制で、最大料金は1日800円程度となっています。
営業時間は24時間ですが、夜間は照明が限られているため、ヘッドライトなどの照明器具を持参することをおすすめします。
駐車券は必ず車内の見える場所に提示し、料金の支払いを忘れないよう注意しましょう。違法駐車は他の利用者に迷惑をかけるだけでなく、釣り場閉鎖の原因にもなりかねません。
近くのおすすめスポット
大磯港周辺には釣り以外にも楽しめるスポットが充実しています。釣行の合間や釣り後に立ち寄ることで、より充実した一日を過ごせるでしょう。
すずき釣具店の餌と情報収集
大磯港から徒歩3分の場所にある「すずき釣具店」は、地元釣り人に愛される老舗の釣具店です。最新の釣果情報や仕掛けのアドバイスを受けることができます。
店舗の軒先には餌の自動販売機も設置されており、営業時間外でもアオイソメやアミエビを購入できるのが便利です。価格も良心的で、急に餌が足りなくなった際にも安心です。
店主は大磯港の釣りに詳しく、その日のおすすめポイントや仕掛けについて親切に教えてくれます。初めて大磯港を訪れる方は、まずこちらで情報収集することをおすすめします。
シラス直売所で新鮮グルメ
大磯港の隣には地元で獲れた新鮮なシラスを販売する直売所があります。釣り上がりに獲れたてのシラスを味わうのは、湘南エリアならではの楽しみでしょう。
生シラスは季節限定で、1月から3月、6月から12月の間のみ販売されています。禁漁期間中は釜揚げシラスのみとなりますが、こちらも絶品です。
お土産としても人気が高く、クーラーボックスがあれば家族にも喜ばれること間違いなしです。釣果がイマイチだった日でも、新鮮なシラスがあれば満足できるでしょう。
大磯海岸でのルアー釣り
大磯港から徒歩10分ほどの大磯海岸では、サーフでのルアー釣りを楽しむことができます。ヒラメやマゴチ、シーバスなどが狙える人気スポットです。
朝夕のまずめ時には多くのルアーマンが竿を出しており、活気のある雰囲気を楽しめます。港での釣りとはまた違った魅力があり、一日中飽きることがありません。
サーフ釣りに必要な道具は港での釣りとは異なるため、事前に準備を整えておくことが重要です。特に遠投用のタックルと重めのルアーが必要になります。
- 営業時間:店舗により異なる
- アクセス:大磯港から徒歩圏内
- 駐車場:各施設で確認要
まとめ
大磯港は都心からのアクセスも良好で、初心者から上級者まで楽しめる優秀な釣りスポットです。3つの主要ポイントそれぞれに特色があり、狙う魚種や釣り方に応じて使い分けることができます。
特にサビキ釣りでのアジ・イワシ・サバ釣りは家族連れにもおすすめで、子供でも簡単に魚を釣る喜びを味わえるでしょう。ちょい投げでのキス釣りや根魚の探り釣りなど、技術向上にも適した環境が整っています。
釣行の際は港のルールをしっかりと守り、他の利用者に配慮した行動を心がけることが大切です。周辺の釣具店やグルメスポットも充実しているため、釣り以外の楽しみも見つけられるはずです。
次回の休日は、ぜひ大磯港で素晴らしい釣り体験を楽しんでみてください。きっと忘れられない思い出になることでしょう。